2019年も残すところあと2週間になりました。
西暦が10年の区切り目を迎えます。
この機会に、一年の振り返りをして、新年の計画を立てようという方も多いでしょう。
挫折を繰り返してきた私が見つけた、60分で効果的な振り返りと計画づくりができるMY GOALという方法を紹介します。
振り返り、計画するって難しい
読者の皆さんは、毎年、ちゃんと振り返りと計画づくりができているのでしょうか?できている人は、もうこの記事を読む必要がないと思いますので、スキップしてください。
毎年、挫折ばかりしてきた
一年の成長に歩みを振り返り、新年の計画を立てて実行することは、私にとっていつも大きな憧れでした。もちろん、何度も、何度も、あの方法、この方法と試してきました。
でも、そのたびに挫折してきました。
去年の今頃もそうです。平成の締めくくりだから、新しい年号の年のために新しい計画を立てよう、と思っていました。それなのに、なぜか時間がうまく取れなくて、ついに計画を立てずじまいでした。
その前の年は、確か、何かの計画を立てはしたと思います。でも、立てただけで実行できず、今となってはどんな計画だったかすら覚えていません。
そんな不毛な経験を繰り返してきました。多分、これからも振り返りをして、一年の計画を立てるのはできないんだろうな、と思うようになりました。この時期、いろんなブログで前向きな取り組みが表明されていると、読んでいて憂鬱になりました。
いくつかの挫折ポイント
自分の挫折の経験を考えてみると、いくつか難しいポイントがあることがわかります。
- 振り返りをしようと思うものの、実際に時間をとって取り組むことをしない
- 時間がない、やり方がわからないというように、できない、しない理由を見つけてしまう
- 振り返りをしても、堂々巡りで前向きな行動に結びつかない
- 他の人の計画がよさそうに見えて真似したくなってしまう
- 立てる計画が理想ばかりで実際の行動がついていかない
- そのときだけで長続きせず、行動が習慣化しない
- 義務感から行動するようになって、ちっとも楽しくない
こうしてみると、一年の振り返りと新年の計画づくりは、簡単そうに見えて非常に難しいことなのだ、とわかってきます。
そんなわけで私はあきらめかけていました。
自分にあった方法を見つけた
ですが、自分の成長に取り組む、というテーマでサーバント・スタイルを書き始めているので、どうにかならないだろうか、ともう一度よく考えてみました。
ああでもない、こうでもない、と思案を重ねた結果、とりあえず「これ」という方法に行き着きました。MY GOALという方法です。
MY GOALを目指して
MY GOALは、ありがちな挫折ポイントをクリアできるように、取り組みのポイントを示しています。
- MY 私自身のための振り返り。誰かの真似をしても意味がない。自分のためのもの、借り物ではない。自分のいまの状況だからこそ取り組むべきことを見つける。
- Growth 成長につながる。自分の目指す、成長した姿に近づいていける。信頼、尊敬される人物になることがイメージできるように。
- Only 限定的な取り組み。欲張りすぎない。高望みしない。自分にとってちょうど良く、集中できる範囲に留める。
- Action 行動に結びつく。思うだけ、考えだけで終わらない。心構えを整理しただけでも終わらない、具体的な行動に導く。
- Lasting 継続する。一度限りではなく。積み重ねができ、だんだんと自分のものとして身につけていくことになる。
MY GOALで取り組むと
一年の振り返り、新年の計画は、うまく機能すると、非常に大きな力になります。
じっくりと自分の歩みについて考えることができ、現状をふさわしく理解することができるでしょう。また、自分の未来像を思い描くことができ、そこに向かう取り組みを見つけることもできます。
何よりも、振り返って計画を立てられた、というだけでも、満足感が生まれるものです。あこがれだけでなく、自分でも実際に計画を立てられた、という満足感です。自分だってやれば出来るんだ、という自信も生まれます。
さらに、これからの歩みに希望をもつことができます。この計画を実行していったら、目指すところに近づくんだ、という希望です。
同時に、計画のもつ意味や重要性もわかるので、しっかり取り組まなければならない、と身の引き締まる思いがしてきます。
あとは、実際に計画を実行するためのサポートがあれば、必ず今までとは違う取り組みになっていくはずです。
具体的な手順
では、実際にはどのような手順で振り返りをして、計画を立てていけばよいのでしょうか。具体的な手順を説明していきましょう。
作業に始まる前に準備すること
小さなゴールを目指す
一番先に、まずしっかりと心に受け止めておきたいことは、現実的な取り組みにするということです。大きな計画ではなく、まず小さな計画を立てましょう。
「千里の道も一歩から」と言います。今回の取り組みは、ごく小さな一歩がよいのです。仮に簡単すぎたら、次の一歩をまた考えればいいだけのことです。できなかった、という挫折だけはもう繰り返したくありません。
2020年の終わりに、少なくとも一つのことに取り組み続けられた、と言えるように目標を定めましょう。今までが結果ゼロですから、小さな結果でも今までよりずっと大きな進歩です。
時間の確保
必要となる準備の一つは時間です。少なくとも、60分の時間を見つけて、作業のために確保しましょう。
確保することが大事です。今すぐ手帳にその時間を書き込みましょう。いつかやろうと思っていることを、実際にやれるほど、時間を持て余してはいないことでしょう。計画しなければ実行されることはありません。何日の何時から、と予定を立ててください。
この時間は、自分との約束の時間です。他の人との約束の時間は、簡単に変更したりしませんよね。後から予定ができても、できるだけ先の約束を動かさないようにするはずです。それと同じように、この約束の時間もできるだけ変更しないようにしましょう。
ず確保できるようにと心に決めましょう。
環境の確保
その次に準備すべきことは、落ち着いて取り組むことのできる環境です。他の人から話かけられたり、作業が中断しないような環境を見つけましょう。自分の部屋でもいいでしょうし、お気に入りのカフェに行ってもよいでしょう。
広い机は必要ありませんが、紙を2-3枚広げて、ペンを走らせるスペースぐらいは欲しいものです。隣の人から覗かれてしまうぐらい密接していると、なんだか集中できないことでしょう。ゆったりと座れる環境のほうが好ましいです。
作業用の紙とペン
その他に準備すべきものは、紙とペンです。
紙は、ある程度の大きさがあり、たくさん字が書ければどんなものでもかまいません。いつも記入しているメモ帳やノートがあれば、それでいいでしょう。A4のコピー紙を使ってもいいですし、広告の裏側だってかまいません。
この記事の最後に、作業のワークシートをダウンロードできるように案内しています。あらかじめ作業の内容が書いてあり、順を追っていくだけになっているので、簡単に活用ができるでしょう。うまく使えそうだと思えば活用してください。
ペンは、特にこだわりがなければ、どんなものでもかまいません。こだわりがあれば、お気に入りのペンを使ってください。
反対に、気が散るようなものは、目に触れないようにしたほうがよいでしょう。特にスマホはいろんな通知が来て、取り組みの邪魔になります。一時間だけなので、思い切って電源を切るか、飛行機モード(通信も通知も機能しない)にするかしましょう。
振り返りと計画作業
前置きがずいぶん長くなりました。これから、実際の作業を、説明していきます。
テーマ設定(5分)
まず、最初にすべきことは、取り組むテーマを設定することです。所要時間は5分程度でしょう。
自分が関わっていることをリストアップして書き出します。その中でも、特に自分が気になっていることをテーマにするとよいでしょう。
今回の取り上げるテーマは一つだけです。多くのテーマについて考えたくなるでしょうが、まず一つだけにしましょう。もしどうしても他のテーマも、とというならば、もう一時間別に時間を確保して取り上げることにしましょう。
自分に関わりのあることとは、例えば以下のようなことです。
- 健康
- 人間関係
- 仕事
- 将来
- 経済
- 趣味
- 育児
- 親戚
- 自己成長
- 信仰
- 副業
- 学習
- 財産
- 仲間
- 情報発信 などなど
あなたが関わりをもっている事柄を書き出しましょう。その中から、今回取り上げたい一つのことを選びます。
さらに、そのことについて、もっと具体的にテーマをしぼっていきます。たとえば人間関係でいえば、どの人とのどんな関係のことについてなのか、具体的に考えていきます。仕事であれば、どの仕事のどの部分についてなのか、具体的に考えていきます。
一つの具体的なテーマが決まったら、「テーマ:〇〇〇〇〇〇〇〇」と、しっかりと書き留めましょう。
未来像を思い描く(10分)
その後、自分がなりたい姿を洗い出します。所要時間は10分ほどです。
取り上げたテーマについて、こうだったらいいな、こういうふうになりたい、あれができるように、ああいう関わりになるように、と様子を思い浮かべてください。それを、できるだけ具体的に、細かなところまで、箇条書きにしていきます。
一行に一つのことを書き出し、さらに次の一行に次のこと、と書いていきます。長い整った文章でなくて大丈夫です。似たようなことが出てきてもかまいません。字が間違っていても、読みにくい字でも気にすることはありません。頭の中に浮かんでくるよいイメージを言葉にしていきましょう。
10分で書けるだけ、あるいは60個になるまで、と決めて書き出してください。2枚、3枚と字で埋まった紙になっていきます。あとで見直すので、取っておきましょう。
現実の姿を振り返る(10分)
次に書き出すのは、今の現実です。新しい紙を取り出し、取り上げたテーマについて、実際にどんな様子であるか、書き出しましょう。
自分が置かれている状況はどんなものでしょうか。満足のいくものでしょうか。満足しないとすれば、どのようなことでしょうか。どんな気持ちがしているでしょう。何を好み、何を苦手としているでしょう。いまの自分と取り組みについて、良いことも悪いことも含めて、とにかく書き出していきます。
実際の様子についても、10分間あるいは60個になるまで書き出しましょう。誰に見せるわけでもないので、率直に書いてください。乱暴ななぐり書きになっても大丈夫です。
これで、机の上には、文字で埋まった紙が数枚広がっているはずです。お疲れさまでした。
休憩(5分)
ここでちょっと休憩をとりましょう。未来像を書き出すのと、現実を書き出す作業で、けっこう疲れたはずです。時間的には半分ですが、作業としては半分以上終わりましたので、ほっと一息つきましょう。
ゴールを明確にする(10分)
さて、休憩が終わったら、未来像を書いた紙を見直します。ここで現実の姿ばかりに焦点を当ててしまうと、袋小路に入ってしまいます。書き出した未来像の紙を読み返していきます。所要時間は10分です。
何回も出てくる言葉や同じ意味の言葉などに印をつけましょう。特にそうだな、と思うところには下線を引いてみましょう。何度か読んでいくうちに、だんだんとその姿がまとまってきます。
その未来像を簡潔にまとめて書き留めましょう。おすすめは以下の文章に当てはめることです。
私は
(取り上げたテーマ)について
(焦点の当たる事柄)を
(理想とする関わり)する自分になる
この文章にあてはめることが難しければ、次の形もおすすめです。
私が(取り上げたテーマ)について、大切にしたいのは次のことです。
このように自分が目指す姿を明確にイメージしましょう。それを忘れないように書き留めます。
具体的な行動計画を立てる(10分)
いよいよ最後のステップです。目指すべき成長した姿に対して、今の私が取り組むべき具体的な行動はどのようなものかを考えていきます。所要時間は10分です。
行動計画は、SMARTERと呼ばれる基準を念頭において、立てていきます。マイケル・ハイアットが、よく言われるSMARTの基準をさらに発展させたものです。
- Specific 具体的であること
- Measurable 測定可能であること
- Achievable 現実的に取り組めること
- Related 自分の成長に関係していること
- Time-bound 期限があること
- Exciting ワクワクして取り組めること
- Risky 挑戦的要素を含んでいること
これに沿って、あなたの具体的な行動計画を立ててみましょう。
- いつ、どこで、何をするのか
- どうやって結果を測定するのか
- どのような結果になることを期待するのか
- なぜそれをしようとするのか
具体的な行動計画ができたところで、一年の振り返りと新年の計画は終わりです。お疲れさまでした。
手順としては難しいことはありません。一つずつ作業を進めれば、およそ一時間で具体的な行動計画が出来上がることでしょう。
ケーススタディ: 職場でのコミュニケーション
一例として、私が実際に作業をしたのを紹介します。
私の取り上げたテーマは、職場にいるまわりの人とのコミュニケーションです。日常的なことであり、自分にとって課題を感じることも多かったからです。
まず、自分がこういうコミュニケーションが取りたい、と思う姿を箇条書きにしました。10分間で、49個のリストになりました。こういうふうに、ああいうふうにと書き出していると、気持ちが明るくなりました。そうなれたらいいな、と思いました。実際にはできてもいないのに、すでにそこに近づいたかのような気持ちになりました。
その次に、現状を書き出しました。誰にも見せないということで、正直に書きました。こちらは10分間で44個のリストになりました。何度か同じことを書いたな、と自覚していたので、自分の課題がいくつかあるのだろうな、と思いました。見直して、それがなんだかまとめたい、という誘惑があったのですが、それはやめました。沼にはまりそうな気がしたからです。
トイレに行き、コーヒーを入れ、少し休憩をしました。
その後、では自分はどんな姿を追い求めているのか、未来像の紙を読み返してみました。
浮かび上がってきたのは
・人を力づけるような声掛け
・気軽に声をかけられやすい態度
・誠実なやりとり
・あたたかい見守り
・伝わる感謝と労い
つまり、一文でまとめるとこうなりました。
そして、最後に具体的な行動を計画しました。
「まず一ヶ月、1日に1人以上、挨拶や用件以上の会話を意識的にする」というものです。
SMARTERの基準でチェックしてみました。
- 挨拶や用件以上というのが具体的
- 1日1人以上というのが測定可能
- 3人以上でなく1人以上というのが現実的
- 実際の会話なのが未来像に直結
- 一ヶ月と期限を区切った
- 今よりずいぶんいい関わりになると期待している
- 出来るかなぁ、と思うけど、やろうと思える
そして、実行した記録を取るために、表を作りました。日付、相手の名前、簡単な内容を記入するための表です。
ここまで1時間、あっという間でしたが、とても内容のある振り返りと計画づくりをすることができました。
まだ残っている最大の難問
さて、ここまで、具体的な振り返りと計画づくりについて、紹介してきました。
ですが、実は、このあとが一番大きな課題です。つまり、立てた行動計画を実行するという、最大の難問を解決しなければいけません。
この点については、私もこれから取り組んでいくことになります。何度も挫折してきたので、どうしたらいいのかな、と迷っています。
ただ自覚していることがあります。それは、自分一人ではまた同じ結果になってしまうだろうな、ということです。自分だけしか知らない自分だけの行動計画だと、いくらでも理由をつけてやらなくなってしまうのです。
ということで、私は読者のみなさんとの約束を利用しようと考えています。一週間後、結果を報告します。さらに次の週も結果を報告します。一ヶ月後まで、取り組みが継続していることを約束します。この約束が、自分にとって大きな助けになります。
読者の皆さんも、計画の実行にあたっては、それを知っていてくれるパートナーがいると大きな助けになるでしょう。ぜひ、見守ってくれる人を探して、依頼してください。
MY GOAL無料ワークシート
一年の振り返りをし、新年の計画を立てるためのMY GOALの無料ワークシートを用意しました。ここまで紹介してきた手順を追って、記入すればよいようになっています。
メールアドレスを記入してください。ダウンロード案内を送付します。また、同時にサーバント・スタイルの読者登録もされ、有益な情報が届くようになります。
最後に、一つだけ、強調しておきたいと思います。それは、手を動かして作業することの重要性です。
おそらく、読み進めて来た方は、振り返りと計画づくりの手順を理解したことでしょう。すでに頭の中で、自分だったらこうだな、ああだな、と思いを巡らせたかもしれません。
でも、それで済んだ気にならないでいただきたいのです。実際に60分の時間を使い、手を動かして紙に書き出し、それをまとめ上げる作業をするとしないとでは、大きな違いが出てきます。なんとなくではなく、はっきりとまとめあげることができるからです。
どうせ今までと同じ、という結果にならないためには、実際に時間をとって、作業をしてください。こう書いても、残念ながらおそらく8割の人は作業をしないでしょう。かつての私もそうでした。ぜひ、8割の人にならずに、残り2割の手を動かす人になってください。その違いは本当に大きなものです。強調しすぎても強調しすぎることはありません。手を動かしてくださいね。
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