サーバントの考え方8   人は何をどう与えたかで評価される

人の評価は気になるものです。

やってもやっても、誰も認めてくれない。それでは、嫌になってしまいます。

何で評価されるのか、それをきちんと理解していないと、自分の中でむなしさばかりが大きくなります。

人は、いったい何をすることで評価されるのでしょうか。

与えるための人生

人生の目的は何でしょう?

私たちは、いろんな目的を考えます。

  • 友人や家族とよい人間関係を築くこと
  • 仕事が認められて出世すること
  • 多くの財産を手に入れること
  • 充実した余暇を過ごして楽しむこと
  • などなど

さまざまな小さな目的に目移りして、あれもこれも実現する人生がいい、と考えます。

人生は手に入れたもので評価されない

もちろん、良い人間関係、仕事の成功、財産、充実した余暇、趣味の楽しみ、どれもあって悪いものではありません

それが手に入れば、人からうらやましがられます。

しかし私たちの歩みは、何かを手に入れることが目的ではなく、何を得たかで評価されるものでもありません。

与えられたものを用いる

サーバントが考える人生の大きな目的は、神から与えられたものを用いて人に仕えることです。

何かを得ることに関心を向けることはありません。神から良いものを十分に与えられているからです。

むしろ、与えられたものを十分に用いることに関心が向いています。

多く与えられた人は、多くを成し遂げることが期待されます。そのためにふさわしく取り組むことが必要です。

少く与えられた人も期待されています。与えられたものを用いて、ふさわしく取り組むことが求められます。

サーバントは、与えられているものに目を向けて、何のために用いるのか、どのように用いるか、ということを常に考えています。

何のために用いるか

与えられているものの用い方には、大きくわけて二つの目的があります。

自分のためか、人のためか

ひとつは自分のために用いることです。自分が満足できるように、自分の楽しみのため、喜びのために、それを用います。

もうひとつは、他人のために用いることです。みんなで喜びを分かち合うため、大切な人の助けになるためです。お互いのために、喜んで差し出し、分け与えます。

与えられているものを自分のために用いることは、悪いことではありません。神は私たちによいものを与えてくれました。大いに喜び、楽しむためです。

ただし、独占したり、他の人のものにまで手を出すのは、間違っています。

自分のために与えるのではなく

同じ与える行為でも、自分のエゴのために与えるのも間違いです。

自分の言うことを聞かせるために与える、優位な立場を守るために与える、尊敬されるために与える。

気前よく与えていたとしても、これらは本来の与え方ではありません

相手のために差し出す

サーバントは、相手のために差し出します。

相手によいものがもたらされ、相手が成長し、相手が成果を出すことができるように与えます。

与える側が主役ではありません。与えられた側にこそスポットライトが当たります。

それがサーバントの目指すところであり、喜びでもあります。

どのように用いるか

もうひとつの評価基準は、与えられているものをどのように用いるかです。

心をこめて用いること、思慮深く用いることが求められます。

心を込めて用いること

どれだけ差し出したかは問われていません。確かに多くを用いれば、より多くの人を助けることができるでしょう。少ないものでは限られた範囲でしか助けることができません。

しかし、量の問題ではありません。どんな思いで差し出すのかが問われます。

有り余るほど多く与えられている豊かな人が、何も考えずに百のことをしたとしましょう。一方、わずかしか持たない貧しい人が、なけなしの犠牲を払って、心を込めて一のことをしたとしましょう。

ふさわしいと評価されるのは、貧しい人です。量で言えば百分の一のことでしかないのに。

なぜなら、心をこめてそれをしたからです。

与えるにあたっては、不安も、恐れも、葛藤もあるでしょう。

それを乗り越えて具体的に行動します。足を運び、耳を傾け、声をかけ、手を差し伸べます。

心をこめて仕えるのがサーバントです。

思慮深く用いること

さらには思慮深さが求められます。

サーバントは与えられているものを精一杯、最大限に活用することを心がけます。

多くを与えられた者は、すべて差し出し、効果的な取り組みになるように努力します。少なく与えられている者も同じように、すべて差し出し、効果的な取り組みになるように努力します。

一番よい形、与えられたことにふさわしい、効果的なものであるように考え、工夫し、実行するのです。

与えられたものの管理者として

サーバントは、与えられているというよりは、管理を任されていると考えます。

主人の意向に従って、一番ふさわしい形で用いるように管理し、運用に励むように任されていて、その責任を精一杯に果たそうとしているのです。

まとめ

サーバントは、与えて仕えることこそが人生の目的であると考えます。何を得るかよりも、手にしているものを心を込めて、思慮深く与えることに価値を見出します。

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