サーバントの考え方7 敵はいない、味方とそうでない人だけ

一生懸命に取り組もうとすると、同時に反対する人が出てきます。

協力的でない人の姿も目につくようになります。

そんなとき、自分たちだけが良いことをしているのだ、と考えてしまってよいのでしょうか。サーバントがより多くの人の協力関係を広げていく考え方を紹介します。

お互いに違って当たり前

自分が一生懸命に取り組もうとするとき、必ずと言っていいほど反対する人が現れるものです。その人をどう受け止め、どう向き合ったらよいか、とても大切な課題です。

敵だと思うか、理解しようとするか

一つの選択肢は、相手を敵だと見なして戦うことです。

主張をぶつけ、相手を言い負かして、自分の方が正しいと納得させることです。より多くの人を味方につけて、数の力で押し切ることもあるでしょう。

もう一つの選択肢は、相手の主張を理解し、歩み寄れるところを見つけることです。

サーバントは後者の取り組みを選びます。

誰もが自分なりに正しい

私たちは、それぞれ自分がよいと思うことを行います。あからさまに悪いことをわざわざする人はいません。

考え方の違い、やり方の違い、強調点の違いなどがあり、意見が衝突します。

それは、お互いによいことを意図して取り組もうとしている結果です。

多くの場合、どちらかが百パーセント正しくて、どちらかが百パーセント間違っているということはありません。どちらの言い分にも聞くべきところがあります。

意見の違いは、優劣ではない

意見が異なるとき、それを人間の優劣に置き換えてしまうのは避けなければなりません。

私の意見は正しい、ゆえに私は優れた存在だ。あなたの意見は間違っている、ゆえにあなたは劣った存在だ。そんなふうに主張し始めたら、お互い引くに引けません。

意見の違いは、ただ意見が違うだけのことです。

優劣をつけて、相手の存在を否定するようなことは、決してあってはならないことです。

私たちは、神によっていのちを与えられた尊い存在です。しかも、一人ひとりが個性をもつ、ユニークな存在として生かされています。

その違いを活かし、お互いに助け合うのが本来の姿です。

違いを活かすことが大切

もちろん能力の違いはあります。知識が豊富な人もいれば、不十分な人もいます。短時間に多くの仕事ができる人もいれば、長時間かけてじっくり仕事をする人もいます。事務能力に長けている人もいれば、営業力に長けている人、企画力に長けている人、対人関係能力に長けている人もいます。

それぞれにできること、できないことが違っているだけであり、人間としての優劣ではありません。

人種や文化、伝統、育ちの背景が違うでしょう。性格、関心、信念なども違います。一人ひとりがユニークな存在です。

お互いに違う一人ひとりの存在によって社会は構成されています。

みんなが私と同じだったら、意見の衝突こそないかもしれませんが、社会として成り立ちません。

それぞれの違いが組み合わさって、豊かな社会が実現しているのです。

お互いを理解し、信頼する

サーバントは、意見の違うお互いを敵とみなして排除しません。むしろ、違う意見を持つ人も必要だと考えます。そういう人がいてくれてこそ、さらに多くの人との協力関係が広がっていくのです。

敵を作っていいことはない

意見の違う人は敵であり、競争相手だと思えば、好戦的になります。

言葉のはしばしにトゲが感じられるようになります。

相手のあら探しをし、自分を守って防御を固めるようになります。

本心を見せないように警戒するでしょう。

これでは協力関係を築くことができません。

違いがよいものをもたらす

意見の違う人は、自分の考えを広げて深めてくれる人です。

よく聞いて十分に理解するならば、自分には見えていなかったことや意識していなかったことに気づかせてくれます。

すべてに同意する必要はありません。

必要以上に警戒することなく、さらに良い取り組みのためのヒントがないか、心を開いて耳を傾けるようにしましょう。

信頼関係で結ばれた仲間の持つ力

相手を信頼することも大切です。たとえ意見が違ってもです。

結果に至る過程や考え方は違っていても、大きな目的は共通です。

であれば、信頼し協力すべき仲間として歓迎します。違いが大きな問題とならないように、役割の分担や距離のとり方などに配慮することも必要です。

こうして、多様な意見を包括しながら取り組みが進むことによって、自分一人を中心とした協力関係よりも、さらに多くの人たちが加わることができます。

大勢が喜んで関わることのできる息の長い取り組みになって継続していきます。

まとめ

サーバントは敵を作りません。違いを優劣の問題にすることもありません。むしろ、違いを生かして、お互いのための協力関係を築き上げます。これによって、より広がりのある協力関係が生まれます。

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