日本では、コーチングの知名度はまだまだです。
経営者層で、コーチを付けている人も多くないでしょう。
しかし、欧米のトップ経営者層は、まず例外なくコーチをつけています。
それはなぜなのでしょう?
この記事では、コーチングの特色をまとめ、積極的にコーチを採用する理由を紹介します。
コーチングとは?
コーチと言えば、スポーツのコーチを思い浮かべます。
そういう意味では、コーチを知らない人はいません。
ただ、経営者がつけるコーチとなると、理解している人はさほど多くありません。
コーチという言葉のもともとの意味は、馬車です。
乗っている人を目的地まで連れて行く役割を果たします。
ビジネスのコーチといえば、経営者の目標、目的の達成を助ける役割があります。
コーチングとティーチングの違い
コーチングは、ティーチング=教えることとよく対比されます。
どう違うのでしょうか。
ティーチングは、知識の伝達、技法の習得を目的とします。
すでに知っている人、できる人が、まだ知らない人、できない人に関わります。
お互いの関係は師弟関係になります。
一方、コーチングは、すでにあるものから気づきを促す、できることの実践を促すことが目的です。
コーチは、必ずしもすべてのことを知っていたり、できたりする必要はありません。
問いかけ、答えを受け止めることによって、相手の主体性を高め、潜在的な可能性を引き出していきます。
コーチングについてまとめ
まとめると…
- 質問と傾聴のスキルを用いて
- 相手の可能性を最大限に引き出し
- 目的の遂行を促すコミュニケーション
ということになります。
経営者がコーチをつける3つの理由
では、ここからは、欧米のトップ経営者層がコーチをつける理由を紹介していきます。
まず、1つ目の理由です。
それは、自分と肩を並べて会話する仲間が必要だから、という理由です。
経営者のまわりには、いつもいろんな人がいるイメージがあります。
しかし、実は同じレベルで話をする仲間、となるとほとんどいません。
同業者や経営者仲間とは、自分の会社の内情を話すわけにはいきません。
もちろん家族や友人にビジネスの話をするのはためらわれます。
よく言われるように、経営者は孤独なのです。
そのため、コーチを付けて、じっくり対話の時を持ちます。
コーチは、どのような状況で、どんな内容であっても、しっかりと耳を傾けて、受け止めます。
これが経営者の孤立を防ぐ、大きな助けになります。
そして、2つ目の理由です。
それは、思考のブレイクスルーを起こすため、という理由です。
コーチングの世界では、自分の頭の枠から出ると表現します。
経営者は、考えることが重要な仕事です。
そのとき、自分の常識や、自分の考え方を繰り返していると、いつも同じ結論に陥りがちです。
すると、これがビジネスの限界になる可能性が大きくなります。
それに対して、コーチがいつもと違う質問を投げかけることで、ワンパターンな思考から脱却することができます。
新たな気付きが起こり、ビジネスのブレイクスルーをもたらす可能性があります。
コーチとの対話は、もう一つ脳を手に入れるのと同じくらいのインパクトがあるのです。
さらに、最後の3つ目の理由です。
それは、経営者の自己成長です。
成長のためには、現状の正しい認識が不可欠です。
今できていないこと、知らないことを認め、自覚する必要があります。
ところが、経営者は自分の弱さや限界を認めにくい立場にあります。
部下は厳しいフィードバックをすることがはばかられます。
経営者自身の自己評価も、業績がよければ、ついつい甘くなります。
そういう中で、コーチは経営者の正直な自己チェックを促し、客観的なフィードバックをします。
経営者は、他の誰にも見せない自分の姿も、コーチを信頼して自己開示することができます。
この関係性が、経営者の自己成長の大きな助けになるのです。
まとめ
ここまで、欧米のトップ経営者がコーチを付ける理由を3つ紹介しました。
孤独の解消、思考のブレイクスルー、自己成長の支援のためでした。
これらは、何も欧米の経営者だけが必要としているものではありません。
日本の経営者も、あるいは日本の経営者こそ、必要としているものです。
そして、経営に真剣に取り組む経営者であればあるほど、そのことに気がついています。
コーチがいる経営生活と、コーチがいない経営生活、あなたはどちらを選びますか。